Q2.人事評価制度を作る際に、まずやるべきことは?

これから人事評価制度を作ろうと思ったときに、まず手始めにやるべきことが2つあります。

社長さんの頭の整理

「なぜ、この会社を経営しているのか?」を今一度はっきりさせましょう。
明文化されていなくても、社長さんの頭の中にはあります。ですから、これは社長さんの役目です。

中小企業の社長さんにこの質問をすると決まって、「社員の生活のため」という嬉しい答えが返ってきます。

では、社員さんの生活の糧は、どこからもたらされるのでしょうか?
そう、お客様ですよね。

そこで、お考えいただきたいのは、
・自社の商品やサービスは、お客様に何を(どんな価値を)提供しているのか?
・その結果、お客様にどうなってほしいのか?
の2点です。

むずかしく考えないでくださいね。つらつら考えていくと見えてきます。

「お客様には、こうなってほしいのだけれど、ウチの商品やサービスは、まだまだこんなところが欠けている…」 というのが。

すると、ムラムラと願望が湧き上がってきます。
・我が社は、こんな会社になりたい。
・そのために、社員には、こうなってほしい、もっとこんなことをしてほしい。

この願望こそが、人事評価制度の設計図作成のスタートなのです。

会社の現状整理

そもそも、
・自社の仕事や業務にはどのようなものがあるのか?
・それらを、どんな人たちが担当しているのか?
を整理しておきます。

分析ではなく整理ですので、大まかに書き出す程度で結構です。

すると、次のようなグループ分けができます。

(業務の種類)
・社内で行っているもの(内製業務)
・外注・委託・請負等の方法で社外に任せているもの(外製業務)

(労働者の属性)
・自社が直接雇用する従業員(正規社員/パート・アルバイト)
・自社が指揮命令する派遣労働者
・自社が直接雇用するが他社で働く従業員

※「自社が直接雇用するが他社で働く従業員」とは、客先の工場のラインや基幹システムに常駐している自社籍の社員を指します。

そして、今後の会社の進むべき方向性を見すえた上で、
・外注する仕事はないか?逆に内製に戻す仕事はないか?
・内製する仕事については、直接雇用するのか? 派遣にするのか?
・直接雇用するにしても、正社員か?非正規(パート・アルバイト)か?
を整理してから、人事評価制度の枠組みを考えていきます。