人事評価制度のメリット・デメリット

人事評価制度を導入するメリット・デメリットをご紹介します。
上手に仕組みを作って、なるべく多くのメリットが得られるようにしましょう。

人事評価制度のメリット

会社として、人事評価制度を導入するメリットは、以下が挙げられます。(実際に、弊社のお客様から頂戴したご感想です。)

人事評価制度を導入なさっていて、もし、以下のメリットが得られていないのであれば、お気軽にご相談ください。

● 「人事評価シート」を作成する過程で、社員に求める“成果”、その成果を上げるのに必要な“重要業務”が明らかになる。
→自社にとってベストな“仕事のあるべき姿(やり方)”が整理される。

● どういった項目や基準で評価を行うのかが「人事評価シート」上に明確になっているので、評価がやりやすくなる。
→その場しのぎ、行きあたりばったりの評価から脱却できる。

● 評価ルールが統一されるので、複数の上司で評価が可能になる。
→つまり、「社長のみが人事評価にどっぷり」という状態から開放される。

● 複数の上司が評価を行うことで、評価結果の公平性や納得感が高まる。
→上司間で部下の仕事ぶりについて共通認識が生まれる。
→部下からすると、上司による当たり外れが少なくなる。
→他部署の上司から気軽に声をかけられるといった風通しの良さが生まれる。

● 複数の上司が評価を行う過程で、普段、部下のどのような言動に注意を払えばよいのか、部下を動機づけるにはどう接したらよいのか、上司間でノウハウを共有できる。
→部下の育成・指導という点で、自社の実情に即した管理職教育の役割を担う。

● 会社の理念や方針を社員に浸透させることができる。
→社員に求める成果や行動を考えていく過程で、自社の経営理念や経営方針が明確になる。

● 社員に重点的に頑張ってもらいたいことを徹底させることができる。
→のみならず、口うるさく言ってもやらないことを明文化できる。

● 社員の成果、能力、貢献度等が客観的な数値で算出されるので、昇給や昇進を自動的に決定できるようなる。
→あちら立てればこちら立たずに頭をなやませたり、鉛筆ナメナメしながらさじ加減したりといったことがなくなる。

● 賃金テーブルが整備され、中途採用者の給与を適切に決定できるようになる。
→仮に、期待外れで高い給料を支払うことになったとしても、本人の納得を得た上で修正できる。

● 人材の募集・採用活動がやりやすくなる。
→自社が求めることを求職者にしっかりアピールできるので、自社にマッチした人材を採用することができる。
→人事評価制度を整備していることで、
 求職者に対して、 コンプライアンスがしっかりした会社であるとの好印象を与えられる。

一方、社員さんからすると、以下のようなメリットがあります。

● 「人事評価シート」を見れば、やるべきことの優先順位が明確で、何をどれだけ頑張ればよいのかがわかる。
→つまり、仕事がやりやすくなる。

● 「人事評価シート」には、具体的な仕事のやり方も書かれているので、業務マニュアルの代わりになる。
→やはり、仕事がやりやすくなる。

● 会社や上司が自分に抱いている思い(期待)を理解できる。
→会社や上司を身近に感じられるようになる。

● 「人事評価シート」に書かれている内容が社内の共通言語になる。
→上司との仕事上のコミュニケーションが円滑になる。

● 何をどれだけ頑張れば、どう昇給や昇進に反映するのかが明確になる。
→将来の生活設計ができる。

人事評価制度のデメリットについても触れておきましょう。

人事評価制度のデメリット

では、人事評価制度のデメリットは何でしょう。ズバリ、次の2点です。

● 導入や運用に手間がかかる。

● せっかく導入しても、運用が形だけになりやすい。

書籍で紹介されているような仕組みをそのまま使うと、自社の仕事にマッチしていない分、どうしても評価がやりづらくなってしまいます。評価をしても、しっくりこないのです。

だからといって、自社の仕事の特性を踏まえた人事評価シートを作成しようとすると、どうしても時間と労力がかかります。普段のお仕事を抱えながら、人事評価の仕組みを作るのはかなり大変な作業です。

また、自社の仕事に100%マッチさせようと頑張れば頑張るほど、迷宮の森に迷い込みます。評価項目がどんどん増え、評価基準が細密化し、全体として複雑で重たい仕組みが出来上がってしまいます。

逆にシンプルで簡単な人事評価シートにすると、確かにわかりやすいのですが、評価項目や評価基準が少ない分、評価結果の個人差も少なくなります。つまり、昇給や昇格といった処遇にメリハリがつかなくなるのです。

また、シンプル・簡単を目指す余り、どんな職種の社員さんでも評価できるような評価シートにすると、かえって評価がやりづらくなります。

「この職種で、この評価項目は、具体的に何を指しているのだろう?」と評価の際に頭を悩ませることになります。

これを回避しようとすると、どうしても「積極性」「協調性」「規律性」といった、ともすれば重要業務に直接関係しない評価項目が増えてきます。

社員さんからは、こんな稚拙な基準で給料やボーナスを決められたくないと陰口を叩かれます。

自社の仕事にぴったりフィットし、評価もしやすく、かつ処遇にメリハリがつく人事評価制度を実現するには、この複雑さとシンプルさのさじ加減に経験と技術が必要なのです。