人事評価制度と目標管理制度

人事評価制度では、特定の職種なり、職層なりでくくったグループについて、共通の評価項目と評価基準を設定して評価を行います。

一方、目標管理制度では、業務に関係する目標という制限がつくものの、原則、自主的に設定した目標について、その達成度を評価します。

目標管理制度では、人事評価制度でいうところの評価項目と評価基準が人によってバラバラ。

ですから、本来、人事評価制度と目標管理制度は相性が良くないのです。

人事評価制度にお取り組みの会社さんから、目標管理制度も導入したいとのご相談を持ちかけられることがあります。

上述の理由から、基本的には、人事評価シートの項目について、自主目標を立てる方法を推奨しております。

この評価項目は、「2」の評点だったので、今年度は「3」を目指そう。そのためには、こんなことに取り組もう…といった具合です。

それでも、社員さんに自主的に目標を立てて取り組んでほしい、彼らのモチベーションアップのためにも…という会社さんも多いです。

問題は、社員間で内容の異なる目標とその達成度合いをどう評価するか?

簡単な方法を一つご紹介します。

“貢献度”と“達成度” から目標の評価基準を設けます。

本人の成長のみに留まる他者の業務にも貢献する
目標を大幅に達成した4点5点
目標を達成した3点4点
目標には届かなかった2点2点
目標を大幅に下回った1点1点

貢献度というのは、目標の大きさや価値、達成したときのインパクト・影響度を測る物差しです。

達成度の測定には、定量的な目標が望ましいのは言わずもがなですが、定性的な目標の場合は、どこまでできたら目標達成となるかを事前に本人と会社間で十分なすり合わせを行っておきましょう。

それと、目標管理制度の効果的な運用には、“適切な目標設定”が大前提となります。

難しすぎても、簡単すぎてもダメ。本人が“ある程度”頑張って努力すれば達成できる目標を立てさせるのがポイントです。

この“ある程度が”難しいんですけどね(笑)。